Boeing 747-400 フライト ノート


フライト プランの作成および航空機の操縦は、航空機の重量、天候、滑走路の状態などのさまざまな要因によって影響を受けます。次の推奨飛行パラメータの一覧は、国際標準大気 (ISA) 状態の日に最大離着陸重量で飛行を行うための概算値です。

重要 : 以下の内容は Flight Simulator でのみ使用することを前提としています。実世界で飛行するために、実際の航空機マニュアルの代わりに使用することはできません。

注意 : Flight Simulator の他のすべての航空機と同様、V 速度とチェックリストはニーボードに表示されます。飛行中にニーボードを表示するには、Shift + F10 キーを押すか、または [航空機] メニューの [ニーボード] をクリックします。

注意 : フライト ノートの速度は、すべて指示対気速度で表されています。これらの速度を基準として使用する場合は、[リアリティの設定] ダイアログ ボックスの [指示対気速度で表示] がオンになっていることを確認してください。諸元表に記載されている速度は、真対気速度で表されています。

標準設定では、この航空機は燃料とペイロードが最大の状態になっています。大気条件や高度などの要因にもよりますが、総重量が軽い場合はパフォーマンスが変化します。

所要滑走路長

離着陸に必要な滑走路の長さは、航空機の重量、標高、向かい風、フラップの使用、周辺の気温などのさまざまな要因で決まります。

重量が軽い場合、気温が低い場合、また向かい風がある場合は滑走路の所要長はより短くなります。 標高や気温が高い場合は、滑走路の所要長はより長くなります。

エンジン始動

標準の設定でフライトを開始すると、エンジンはすでに始動しています。エンジンを停止した場合は、Ctrl + E キーを押すと自動始動の手順を開始できます。

タキシング

タキシングの最大重量は 853,000 ポンド (386,913 kg) です。

駐機場から出るときやタキシング中に逆噴射を使うことは禁止されています。

  • 747-400 は推力変更への反応が遅く、特に総重量が大きい場合の反応はかなり遅くなります。通常の条件では、タキシングにはアイドル推力が適しています。ただし、航空機の向きを変える場合には、やや大きな推力設定が必要になります。推力を連続して変更する場合は、少し時間をおいて、飛行機が変更に反応するのを待ってから次の変更を行います。
  • 747-400 では、HSI (水平位置指示器) に対地速度が表示されます。通常の直進でのタキシングは、20 ノット以下で行う必要があります。方向転換する場合は、路面が乾いている状態で、8 ~ 12 ノットが適切な速度です。

Flight Simulator では、タキシング中の方向制御は、ラダー ペダルで行います (ジョイスティックの場合は、スティックをひねります。ラダー ペダルの場合は、ラダー ペダルを操作します。キーボードの場合は、テンキーの 0 キー (左) または Enter キー (右) を押します)。また、方向転換中に機体を停止させないようにしてください。停止した状態からもう一度動き出すためには、過大な推力が必要になります。

フラップ

下記の表は、フラップの各設定における推奨操作速度です。フラップを完全に上げた場合の最低高度は 400 フィートですが、ほとんどの騒音軽減運航方式では 1,000 フィートで行います。フラップを上下させるときには、減速または加速のどちらを行っているときも、速度に合わせて段階的に適切なフラップ設定を使用します。

フラップ位置 (角度)燃料 1/2 以下燃料 1/2 以上
フラップ上げ210220
フラップ 1190220
フラップ 5170180
フラップ 10160170
フラップ 15150160
フラップ 25140150

上の表に示されているのは、該当するフラップ設定での最低速度だということを覚えておいてください。40°のバンク角で上記より遅い速度になると、失速を警告する操縦桿振動機が作動する場合があります。VFE (フラップ下げ速度) については、ニーボードを参照してください。大きなバンク角で操縦する場合は、上記の速度に 15 ~ 20 ノット加えたほうが良いでしょう。その結果、安全性に余裕が生まれます。上昇後に機首を下げると 15 ~ 20 ノット速度が上がります。また、操縦席からの前方の視界が広くなります。

天候が悪い場合は、主翼のフラップを上げてタキシングを行い、離陸前チェックリストの実行中に離陸用フラップを設定します。着陸の場合も同様に、実行可能な状態になったらすぐにフラップを上げます。

747-400 では、経路高度からの降下中に降下率を上げる目的でフラップを使用することは通常ありません。通常の降下は、パターン高度またはイニシャル アプローチ ポイント (IAP) 高度から、クリーン コンフィグレーション (着陸装置、フラップ格納状態) で行います。

離陸

次のことがきわめて短時間のうちに起こります。次に起こることを前もって把握できるように、手順を繰り返し読んでから操作を始めてください。

離陸前チェックリストの項目をすべて実行し、フラップを 5 度に設定します (F7 キーを押すか、計器パネルのフラップ レバーをドラッグします)。

機体を滑走路のセンターラインに揃えたら、F3 キーを押すか、またはスラスト レバーをドラッグして、スラストを N1 の約 40% まで開きます。こうすると両方のエンジンの出力を離陸推力まで均等に上げていくことができます。ここでは正確な数値よりも、両方のエンジンの推力が等しくなることが重要です。

エンジンが安定したら (すぐに安定します)、離陸推力 (N1 の 100% を超えない程度) になるまでスラスト レバーを前方に押します。最終的な離陸推力は 60 KIAS に達するまでにセットしなければなりません。 方向制御はラダー ペダルを使用します (ジョイスティックの場合はスティックをひねります。ラダー ペダルの場合はラダー ペダルを操作します。キーボードの場合はテンキーの 0 キー (左) または Enter キー (右) を押します)。

約 80 KIAS までは、ブレーキだけを使用して航空機を滑走路上で簡単に停止できます。

  • V1 (離陸決定速度) は、約 159 KIAS です。 V1 を超えると、エンジン故障などの問題が生じた際に滑走路上で機体を停止できない可能性が高くなります。
  • 約 177 KIAS の VR で操縦桿 (またはヨーク) をスムーズに引き、機首を水平線から 10°上げます。機首を上げすぎないように注意しながら、この機首上げ姿勢を維持します。離陸前に機首を上げすぎると、尾部を滑走路にぶつける可能性があります。
  • 約 188 KIAS の V2 で、航空機は安全に離陸できる速度に達します。V2 は、片方のエンジンが停止しても安全に飛行できる最低速度です。上昇率がプラスになるまでこの速度を維持します。

車輪が滑走路を離れて、上昇率がプラスになったら (昇降計と高度計の値の両方が増加している状態)、すぐに着陸装置を上げます (G キーを押すか、または着陸装置レバーをドラッグします)。航空機は、V2 + 15 KIAS まで急速に加速します。

高度 1,000 フィート (305 m) で、フラップ 5 からフラップ 1 に変更します (F6 キーを押すか、フラップ レバーをドラッグします)。そのまま 200 KIAS まで加速したら、フラップを完全に上げます (もう一度 F6 キーを押します)。

上昇

フラップを上げたら、上昇出力を N1 の約 90% に設定します (F2 キーを押すか、ジョイスティックのスロットル コントロールを操作するか、またはスラスト レバーをドラッグします)。10,000 フィート (3,048 m) に達するまでは、6°または 7°の機首上げ姿勢で 250 KIAS での上昇を維持します。その後 25,000 フィート (7,620 m) までは 340 ノットを維持し、その後の巡航高度ではマッハ 0.84 を維持します。

巡航

巡航高度は通常、風や天候などの要因によって決定されます。飛行経路に沿って気象を作成した場合、これらの要素を考慮してフライト プランを作成してもよいでしょう。最適な高度は、そのときの機体装備および総重量で燃費が最も良くなる高度です。ここでは、高度の選定について詳しくは触れません。

ここでは、FL 350 でフライト プランを提出していると仮定しましょう。 巡航高度に近づいたら、上昇率または降下率の 10% を計算して、その数値をフィートに変換します。たとえば、1,000 FPM で上昇または降下している場合は、目標の巡航高度より 100 フィート手前から水平飛行への移行を開始します。

上昇時、巡航時、および降下時に自動操縦を使用すると、ボーイング 747-400 の操縦がより簡単になります。自動操縦により、指定した高度、速度、垂直速度、針路、または航法援助施設を利用したコースを維持できます。自動操縦の使い方の詳細については、「自動操縦の使用法」を参照してください。

通常巡航速度はマッハ 0.85 です。自動操縦の速度保持セレクタ (IAS/MACH と書かれたウィンドウ) で 0.85 に設定し、マッハ保持スイッチ (Mach と書かれたボタン) を押して有効にします。オートスロットル スイッチをクリックして ARM に設定すると、適切な出力が設定され、巡航速度が維持されます。通常、高度 20,000 ~ 30,000 フィート (6,000 ~ 9,000 m) まで上昇したら、指示対気速度からマッハ値に切り替えます。

ただし実際には、薄く冷たい空気の中では、真対気速度は、指示対気速度よりずっと速くなっていることを忘れないでください。選択した高度を目的の速度で巡航する設定を把握するには、出力設定に関する経験を積む必要があります。

降下

適切な降下計画には、巡航高度から降下を開始する地点や、その後のアプローチの計画も含まれています。通常降下は、アイドル推力およびクリーン コンフィグレーション (スピード ブレーキなし) で行います。降下を開始する地点は、3 対 1 ルール (高度 1,000 フィートごとに 3 マイル) を使って決定します。現在の高度のフィート数から末尾のゼロを 3 つ省いた値に 3 を掛けます。

たとえば、35,000 フィート (10,668 m) の巡航高度から海面高度まで降下する場合は次のようになります。 35,000 から末尾のゼロを 3 つ省くと 35 となり、 35 x 3 = 105 となります。

つまり、目的地の 105 海里手前で降下を開始し、速度 250 KIAS (N1 の約 45%)、降下率毎分 1,500 ~ 2,000 フィートを維持しながら、推力をアイドルに設定して降下するということになります。追い風がある場合は、10 ノットごとに 2 海里ずつ増やして計算します。

自動操縦で巡航している場合は、降下前に自動操縦を解除します。または、対気速度か降下率を自動操縦で設定して飛行させることもできます。 アイドルまで出力を下げ、機首もわずかに下げます。ボーイング 747-400 はピッチに敏感なので、ほんの 1、2°軽く下げる程度にします。10,000 フィート (3,048 m) 以下では最高制限速度の 250 KIAS を超えないように注意してください。アプローチ段階に入るまで、この体勢で降下を続けます。

上記の条件から外れると、目的地に到達したときの高度が高すぎて降下するために旋回降下しなくてはならなくなったり、または目的地に到達する前に高度が低くなりすぎて余分な時間と燃料を浪費してしまいます。イニシャル アプローチ フィックスの計画は、計器進入方式で飛行しているかどうかにかかわらず行います。

水平飛行で 290 KIAS から 250 KIAS までスピード ブレーキを使用せずに減速するには、約 35 秒、3 マイル (5.5 km) が必要です。210 KIAS まで減速するには、さらに 35 秒かかります。トラフィック パターン高度には、フラップを上げた状態での設計運動速度で、直進で着陸する場合は約 12 マイル手前、ダウンウィンドに進入する場合は約 8 マイル手前で到達するように計画します。クロスチェックは、高度 10,000 フィート AGL (3,048 m)、空港からの距離 30 マイル (55.5 km)、速度 250 KIAS で行うとよいでしょう。

アプローチ

747-400 では、着陸装置とフラップを下げても、すぐに減速できるわけではありません。航空機の着陸体勢 (フラップおよび着陸装置を下げた状態) を確立し、目標速度に到達する十分な時間が必要です。速度が速すぎる場合には減速のための水平飛行が必要になります。

高度が高すぎる状態でアプローチに入った場合は、スピード ブレーキを使用して降下率を大きくします。ただし、主翼のフラップを下げているときには、降下率を大きくするためにスピード ブレーキを使用するのはできるだけ避けてください。なお、1,000 フィート AGL 以下でスピード ブレーキを使用してはいけません。

計器進入では、グライド スロープをインターセプトするファイナル アプローチ フィックスまでに、着陸の体勢を整え、十分に減速しておく必要があります。ファイナル アプローチ フィックスは通常、着地地点から約 5 マイル (800 m) 手前です。

対気速度がフラップなしの場合の最低飛行速度になったら、フラップを 1 度に設定します (F7 キーを押すか、またはフラップ レバーをドラッグします)。通常、この操作はダウンウィンド レグへ進入したとき、またはイニシャル アプローチ フィックスで行うので、それまでにこの対気速度まで減速しておく必要があります。各フラップ設定の最低速度に達するたびに、段階的にフラップを下げていきます。

通常の着陸のフラップ設定は 30 度です。滑走路が短い場合は、フラップを 40 度にすると、出力を切ったとき機体がすぐに停止します。

グライド スロープに乗ったら、G キーを押すか、または着陸装置レバーをドラッグして、着陸装置を下げます。

適切なファイナル アプローチ速度は重量によって異なりますが、通常の運用重量における適切な目標速度は 135 ~ 140 KIAS です。

着陸装置を出し、フラップを 30°に設定し、出力を N1 の 55 から 60%にセットします。このまま進めば、滑走路に向けて適切な対気速度と降下角度を維持できるはずです。出力とピッチを細かく調整して、グライド パスから外れないようにします。降下率の目安は毎分約 700 フィートです。

着陸前に、スピード ブレーキ レバー (スポイラーの制御レバー) が ARM 位置にあることを確認します。

着陸

最大着陸重量は 630,000 ポンドです。滑走路末端より約 1,000 フィート (305 m) 先のどこか 1 点を目標とします。風防ガラスからの視界で、その 1 点が静止して見えるようにピッチを調整します。

滑走路の進入端が機体の下に行き視界から消えたら、視点を滑走路の 4 分の 3 の付近に移します。主輪が滑走路から約 15 フィート (4.5 m) 上の位置に来たら、機首を約 3°上げてフレアをかけます。スラスト レバーをアイドルにして、航空機を滑走路に降ろします。

着陸時に機体後部に余裕を持たせるために、望ましい着地点で航空機を滑走路に接地させます。よりソフトな接地を求めて、滑走路上を飛行しすぎてはいけません。

着陸前にオートブレーキを設定します。主輪が接地したら、. (ピリオド) キーを押すか、またはジョイスティックのボタン 1 (通常の場合トリガ) を押して、ゆっくりとブレーキをかけます。

スピード ブレーキ レバーを ARM に設定している場合は、スポイラーが自動的に作動します。そうでない場合は、ここで UP 位置までスピード ブレーキ レバーを動かします。F2 キーを押すか、スラスト レバーをリバース位置までドラッグして、逆噴射を行います。対気速度が 60 ノット以下になったら、必ず逆噴射を解除します。

フラップを上げ (F6 キーを押すか、またはフラップ レバーをドラッグします)、スポイラーを下げて (/ (スラッシュ) キーを押すか、またはスピード ブレーキ レバーをクリックします)、ターミナルまでタキシングします。