Cessna Skyhawk SP Model 172
フライト ノート― Cessna 172 SP の操縦方法
この航空機は、一度きりの週末デートの相手のようなものではありません。セスナ 172 は、生涯の恋人のようなもの、つまりこの先末永く、変わることなく一緒に空を飛ぶ伴侶です。安定性と信頼性の高いセスナ 172 は、レンタル航空機の中で最も幅広く利用されている航空機であり、ほとんどの航空学校でも使用されているため、たいていのパイロットが、少なくとも数時間はセスナ 172 で飛行した経験を持っています。最初のプロトタイプが 1955 年に完成されて以来、35,000 機を超えるセスナ 172 が生産され、世界で最も人気の高い単発機となっています。セスナ社の最初の三輪式航空機の 1 つである 172 は、当時増え始めていた企業パイロットたちの間で瞬く間に大人気となりました。セスナ 172 の信頼性と操縦のしやすさ (積み重ねた技術と改良の賜物) が、数十年にわたる同機の揺るぎない人気を支え続けています。
1956 年当時の 172 と今日のバージョンとの違いは数多くありますが、類似点もいくつかあります。翼には、セスナ社がセスナ 170 の生産を開始して以来使い続けている NACA 2412 翼型が使われています。また、セスナ 170 には、172 シリーズと 152 シリーズで有名なフラットプレート エルロンが使われており、エキサイティングとは言えないが、安定した操縦を可能にしています。
172 への改良は常に慎重に選択された結果、加えられた改良は例外なく優れたものでした。セスナ 172 には、1960 年には特徴のある後退尾翼が、1962 年には視界の良好な広角型リア ウィンドウが採用されました。また 1964 年には、オリジナルの 172 シリーズが装備していた 6 気筒空冷式のコンチネンタル エンジンから、150 馬力のライカミング エンジンに換装されました。セスナ 172SP は、さらにエンジンが改良され、最大離陸重量も大きくなりました。 セスナ 172SP には、燃料噴射式、180 馬力のテクストロン ライカミング IO-360 エンジンが搭載され、172R に比べ出力が 20 馬力アップし、最大離陸重量も 250 ポンド (113.3 kg) 増えて 2,550 ポンド (1,155.1 kg) になりました。
172 シリーズは、その安定性で有名です。1960 年代と 1970 年代に、セスナ社は、誰もが簡単に操縦できる実用性の高い航空機の製造を試みることによって、社会的な注目と信用を得ようとしました。セスナ 172 によって、その試みは成功しました。この航空機は、適切なトリム調整をすれば、パイロットによる物理的な操作がなくても、何時間でも飛行します。他のセスナ機と同様に、172 シリーズはとても失速しにくい特性を持っています。
セスナ社は 1986 年、市場の動向と製造物責任の高額な保険料が原因で本格的な経費削減を余儀なくされ、セスナ 172 の製造を一時的に中止しました。この 10 年後に、当時のビル クリントン米大統領が民間航空再活性化法を立法化したときは、世界中のパイロットが安堵のため息を漏らしました。セスナ社は、この良い知らせをカンザス州インディペンデンスの新しい工場の完成と共に祝い、セスナ 172 の新バージョンの生産をすぐに開始しました。新しいセスナ 172SP を見れば、以前よりさまざまな面で改善されたことが明らかです。
諸元表
ヤード ポンド法 | メートル法 | |
最大速度 | 126 kt | 234 km/h |
巡航速度 | 124 kt | 230 km/h |
エンジン | Textron Lycoming IO-360-L2A 水平対向空冷 4 気筒 (180 bhp) | |
プロペラ | Macauley 2 翅固定ピッチ | |
航続距離 | 638 nm | 1,183 km |
実用上昇限度 | 14,000 ft | 4,267 m |
燃料積載量 | 56 U.S. gal | 212 ℓ |
自重 | 1,665 lb | 1,002 kg |
総重量 | 2,550 lb | 1,157 kg |
全長 | 27 ft 2 in | 8.2 m |
全幅 | 36 ft 1 in | 11 m |
全高 | 8 ft 11 in | 2.72 m |
座席数 | 最大 4 席 |