ATC 用語集


よく使われる ATC 用語の定義

A-E

A

active runway (使用中の滑走路、使用可能な滑走路)
離陸や着陸のために ATC から使用許可が与えられる滑走路です。Flight Simulator では、使用可能な滑走路が複数ある空港では、任意の滑走路を選択できます。使用可能な滑走路は、方向が風向きと最も平行に近い滑走路です。

advisory (アドバイザリ、飛行情報入手周波数)
Flight Simulator では、これは CTAF (Common Traffic Advisory Frequency) に類似しています。非管制空港で、アプローチ中または離陸中であることをパイロットが他の航空機に知らせるために使用する周波数です。

Airport/Facility Directory (A/FD、空港/施設の一覧)
空港と航法施設についての情報が記載されている米国政府発行の資料です。 A/FD では、無線周波数、滑走路、計器進入、空港の見取り図、その他の詳細に関する情報を入手できます。A/FD は、航空用品店などで購入できます。

airspace (空域)
一定の空間を区切り、管制機関の管制対象かどうかと、どの管制機関が管制を担当するかを定めたものです。

altimeter setting (高度計規正値、アルティメター)
地域によって異なる気圧指示値であり、この値に高度計のコールスマン ウィンドウの数値を合わせます。Flight Simulator では、この規正値は自動気象情報サービスから取得でき、場合によっては ATC 管制官からパイロットへのメッセージの中で読み上げられます。

approach control (アプローチ/進入管制)
多数の航空機が飛行する区域への出入を航空機に指示する航空交通管制機関です。アプローチが通常扱うのは、フライトのうちタワーによる管制を受ける段階と、センターによる管制を受ける段階の間です。アプローチは、到着する航空機だけでなく出発する航空機の処理を行うこともあります。

ARTCC (Air Route Traffic Control Center、航空路管制センター)
IFR 飛行を行う航空機に対して、ディパーチャーによる管制の下で出発してから、到着時に再びディパーチャーによる管制を受けるまでの段階の指示を行います。また、フライト フォローイングで VFR 飛行を扱う場合もあります。

ASOS (Automated Surface Observation System、地表観測システム) 
米国の一部の空港で使用されている自動気象情報システムです。この情報は継続的に (毎分) 更新されます。ASOS の詳細については、「空港の ATC オペレーション」を参照してください。

ATC name (ATC 名称)
航空機のコールサインの一部で、Flight Simulator の ATC が航空機を識別する際の名称です。ATC 名称は、各航空機の Aircraft.cfg ファイル内にある atc_type エントリに対応しています。
例 :

atc_type=Cessna
atc_id_enable=1
atc_id=N700MS

ATIS (Automated Terminal Information System、飛行場情報放送システム)
録音音声による空港気象状況ブリーフィング システムです。この情報は 1 時間ごとに、または気象に大きな変化があったときに更新されます。ATIS の詳細については、「空港の ATC オペレーション」を参照してください。

Autotune (オート チューニング)
Flight Simulator の ATC の機能の 1 つで、無線通信機やトランスポンダの周波数を自動的に切り替えます。新たな航空交通管制官と交信する項目を [ATC] メニューから選択すると、周波数が切り替わります。

AWOS (Automated Weather Observation System、自動気象観測システム)
米国の一部の空港で使用されている、自動化された気象状況ブリーフィング システムです。この情報は継続的に (毎分) 更新されます。AWOS の詳細については、「空港の ATC オペレーション」を参照してください。

B

base (ベース レグ)
空港のトラフィック パターンのうち、着陸する滑走路に対して直角となる区間を指します。ベース レグは、ダウンウィンド レグと滑走路のセンターラインの延長線とをつなぐレグです。

C

call sign (コールサイン)
特定のフライトまたは航空機を示すときに ATC とパイロットが使用する識別コードです。コールサインは一般的に、民間機の場合は機種またはメーカーと航空機登録番号の組み合わせを使用し、航空会社のフライトの場合は航空会社名と便名の組み合わせを使用します。また、軍用機の場合は所属部隊と便名の組み合わせを使用します。ATC との通信では、通信相手を混同しないために、必ずコールサインを伝えます。

clearance delivery (クリアランス デリバリー)
IFR クリアランスを出す管制機関です。フライト プランに従って計器飛行方式で飛行する場合は、出発前にクリアランスが必要です。

closed traffic (クローズド トラフィック)
飛行訓練などでトラフィック パターンに留まって飛行し続けたいときに管制塔に対して要請します。

crosswind (クロスウィンド レグ)
空港のトラフィック パターンのうち、滑走路に対して直角で、滑走路離陸端の先にある区間を指します。

D

departure control (ディパーチャー/出域管制)
多数の航空機が飛行する区域から離脱する航空機への指示を行います。ディパーチャーが通常扱うのは、フライトのうちタワーによる管制を受ける段階と、センターによる管制を受ける段階の間の交通です。ディパーチャーは、出発する航空機だけでなく、到着する航空機の処理を行うこともあります。

downwind (ダウンウィンド レグ)
ダウンウィンドとは、風が吹いている方向を指します。空港のトラフィック パターンのうち、風と同じ方向、つまり着陸とは反対の方向で、滑走路と平行な区間を指します。

DP (departure procedure、出発手順)
IFR フライト プランに従って特定の空港を出発するときに使用する公開された手順です。Flight Simulator の ATC では、IFR クリアランスに DP は含まれません。

E

F-J

F

final (ファイナル アプローチ)
空港のトラフィック パターンのうち、滑走路のセンターラインの延長線にまっすぐ沿った区間を指します。

flight following (フライト フォローイング)
VFR で飛行中の航空機に対するレーダー サービスのことで、管制官がそれほど忙しくないときに交通に関する助言を提供します。クロスカントリー飛行を行っている場合や、複数の管制施設の空域を通過する必要がある場合は、このサービスを利用すればそれぞれの管制施設にそのつど通過許可を要請する必要もなく、交通に関する通知も受けられるので便利です。

flight level (FL、フライト レベル)
米国では、高度 18,000 フィート (5,486 メートル) 以上で飛行するパイロットは、高度計のコールスマン ウィンドウの数値を 29.92 に設定する必要があります。この設定のもとで高度計が示す値をフライト レベルと呼びます。コールスマン ウィンドウの数値が 29.92 (1013.2 ヘクトパスカル) に設定されているときに、高度計の指示値が 30,000 フィートであれば、高度は “フライト レベル 300 (スリー ゼロ ゼロ)” であると言います。

flight plan (フライト プラン、飛行計画)
Flight Simulator では、フライト プランとは IFR フライト プランを指します。 フライト プランは [フライト プランナー] を使用して作成します。ATC からは、そのルートを飛行する許可が出されます。[フライト プランナー] で、VFR のルートの計画を立てることもできますが、VFR 飛行の場合は、フライト プランのルート情報が ATC との交信の中で使用されることはありません。

Flight Planner (フライト プランナー)
IFR フライト プランの作成に使用します。VFR 飛行のルートを計画する場合も使用できます。また [フライト プランナー] からは、Flight Simulator の空港データベース全体にアクセスできます。この機能の使用法については、「フライト プランナーの使用法」を参照してください。

FSS (flight service station、フライト サービス ステーション)
パイロットにさまざまなサービスを提供する航空交通関連の施設です。Flight Simulator では、クリアランス デリバリーを通さない空港でのリモート IFR クリアランスは FSS の周波数で送信されます。

full stop landing (着陸)
滑走路で完全に停止する着陸、または再離陸のタキシングに入る前に航空機が滑走路から離れる場合をいいます。

G

ground control (グラウンド コントロール)
駐機場と滑走路の間の航空機の移動を指示する管制機関です。

H

hold short (一時待機)
グラウンド コントロール管制官またはタワー管制官がタキシング中の航空機を所定の位置で停止させたい場合に、パイロットに “hold short” と指示します。通常は、滑走路に関して使われる用語です。指示全体は “Hold short of runway X (滑走路 X 手前で一時待機してください)” となります。この X の部分には、滑走路番号が入ります。

I

IFR (instrument flight rules、計器飛行方式)
計器気象状態でのフライト (VFR の最低条件を満たしていない場合に行われるフライト) を管理する規則です。

IFR clearance (IFR クリアランス)
出発前にクリアランス デリバリーから出されます。IFR クリアランスには、飛行経路、飛行高度、およびディパーチャーの無線周波数に関する情報が含まれています。

ILS (instrument landing system、計器着陸装置)
グライド スロープ、ローカライザ、マーカー ビーコン、空港灯などから成る精密進入システムのことです。

instrument rated (計器飛行証明)
必須の IFR 飛行訓練を受け、筆記試験と実地試験の両方に合格したパイロットに与えられます。計器飛行証明を持つパイロットは、コックピットの計器を頼りにしなければならない気象条件でも飛行できます。

J

K-O

K

L

M

missed approach (ミスト アプローチ)
計器進入中のパイロットが、ミスト アプローチ ポイントとして指定されている地点に達しても、滑走路や空港灯を視認できない場合に行う宣言です。ミスト アプローチを宣言すると、公表されているミスト アプローチ手順を実施するという意思をパイロットが表明したことになります。

Mode C transponder (モード C のトランスポンダ)
トランスポンダとは、地上からの応答指令信号を受けて信号を返す送受信機です。 パイロットがトランスポンダを特定のコードに合わせると、管制官のレーダー画面上で、その航空機の機影の横にトランスポンダのコードが表示されます。モード C では、管制官は航空機の高度も知ることができます。

N

O

P-T

P

parking gate (駐機ゲート)
Flight Simulator では、空港ターミナル ビルに駐機ゲートが付属しています。

parking spot (駐機場)
Flight Simulator では通常、空港の空きスペース部分を駐機場として使用します。

progressive taxi (タキシング誘導)
駐機場と滑走路の間でパイロットを誘導するときに、グラウンド コントロール管制官が段階的に与える指示です。Flight Simulator では、タキシング誘導を要請すると、航空機の現在位置から滑走路または駐機場に続く線が表示されます。タキシング誘導は [ATC] メニューから要請します。

pushback (プッシュバック)
空港のターミナル ゲートから後退する動作です。通常は、大型航空機の前輪に小型のタグ車をつないで、タキシング レーンに向けて航空機を後ろ向きに押し出す方法をとります。Flight Simulator では、Shift + Pキーを押します。

Q

R

radar contact (レーダー コンタクト)
管制官が特定の航空機をレーダー画像で捕らえることです。管制官はパイロットにトランスポンダ コードを伝え、パイロットはそのコードをトランスポンダに設定します。管制官は、レーダー画面でその航空機の機影を確認すると、レーダーで捕捉したことをパイロットに伝えます。

S

squawk (スクォーク)
トランスポンダ無線機に特定のコードを設定するようにパイロットに要求する際に、航空交通管制官が使用する用語です。

STAR (standard terminal arrival route、標準到着経路)
特定の空港において、航空路からアプローチ段階までの、公開された飛行手順です。Flight Simulator の ATC では、IFR 進入許可に STAR は含まれていません。

T

taxiway (誘導路)
航空機が空港の滑走路に出入りするときに使用する通路です。誘導路を使用するのは、滑走路上の他の航空機の障害となることを避けるためです。

terminal (ターミナル)
空港で、到着した乗客および出発する乗客が航空機に乗り降りするときに通る建物です。Flight Simulator では、ターミナルに駐機ゲートが付属しています。

touch and go (タッチ アンド ゴー)
着陸後に航空機を完全に停止させずに、出力を上げて再び離陸することです。離陸と着陸の訓練のためによく行われます。

tower control (タワー管制)
タワー管制官が空港内の高い管制塔の中にいて、空港の交通区域内の航空機に指示を与えます。 離陸と着陸のほかに、該当空域内の通過もこの管制官が担当します。

Tower Controller (タワー管制官)
ユーザーがインターネットまたはローカル エリア ネットワーク (LAN) を通して、タワー管制官として航空交通を管理する Flight Simulator のマルチプレイヤー機能です。「タワー管制官」セッションに参加する他のプレイヤーは全員パイロットになります。

transition (通過)
管制空域を通過することです。Flight Simulator では、管制空域の通過許可を ATC に要請することができます。進行方向前方に通過許可が必要な空域がある場合は、通過を要請するオプションが [ATC] メニューに表示されます。

transponder (トランスポンダ)
コックピットにある送受信機で、地上のレーダーからの信号を受信し、地上の通信機器に特定のコードを返します。これにより、航空交通管制官はレーダー画面上を移動する航空機をそれぞれ識別できます。

U-Z

U

upwind (アップウィンド レグ)
空港のトラフィック パターンの中で、風向きと逆方向の、着陸滑走路と平行な区間を指します。

V

vector (誘導)
アプローチに入るため、あるいは他の航空機を避けるために、パイロットが特定の位置に向かうように管制官が与える指示です。この指示には、左右の旋回方向と、新たなコンパス針路が含まれます。

“セスナ 28T、針路 270 へ右旋回してください。”

VFR (visual flight rules、有視界飛行方式)
VFR の最低条件に関する米国連邦航空規則 (FAR) を次に示します。
FAR 91.155: VFR の基本的な最低気象条件

このセクションの (b) 項およびセクション 91.157 で規定している場合を除いて、飛行視程、あるいは雲からの距離が、以下の表で規定されている高度および空域クラスごとの基準を下回る場合は、有視飛行方式 (VFR) で航空機を操縦してはならない。

空域視程雲からの距離
クラス A該当せず該当せず
クラス B3 マイル雲から離れていること
クラス C3 マイル下に 500 フィート、上に 1,000 フィート、水平方向に 2,000 フィート
クラス D3 マイル下に 500 フィート、上に 1,000 フィート、水平方向に 2,000 フィート
クラス E
10,000 フィート MSL 未満 
3 マイル下に 500 フィート、上に 1,000 フィート、水平方向に 2,000 フィート
クラス E
10,000 フィート MSL 以上
5 マイル下に 1,000 フィート、上に 1,000 フィート、水平方向に 1 法定マイル

VHF radio (VHF 無線)
航空機の通信機や航法装置で使用される超短波無線帯域です。

visibility (視程)
日中は明かりのついていない目立つ物体を、夜間は明かりのついている目立つ物体を目視確認できることです。 視程は、気象情報サービスによって、法定マイル単位、100 フィート単位、またはメートル単位で報告されます。

visual approach (視認進入、ビジュアル アプローチ)
パイロットに空港を視認しながら雲からの距離を保ってアプローチすることを許可する IFR アプローチです。パイロットは、空港と先行航空機のいずれかを常に視界に捕らえていなければなりません。このアプローチは、適切な航空交通管制施設の許可を受け、その管制下で実施する必要があります。このアプローチを行うには、空港の気象条件が雲底 1,000 フィート以上であり、視程 3 マイル以上でなければなりません。

W

X

Y

Z