ヘリコプターの操縦法
回転翼機を操縦するための基本を学ぶ
ヘリコプターの操縦を学ぶのは簡単なことではありません。飛行機の操縦が自転車の運転だとすれば、ヘリコプターの操縦はジャグリングをしながら一輪車に乗るようなものです。
ヘリコプターの操縦が難しいのは、ヘリコプター自体がもともと不安定な乗り物だからです。飛行機はトリムが正しく調整されていれば何もしなくても勝手に飛行し続けますが、ヘリコプターの場合は放っておくと機体が揺れ始め、最終的には墜落してしまいます。ヘリコプターの揺れを抑えるのはパイロットの仕事ですが、初心者にとっては神経をすり減らす作業でしょう。
現実の世界で訓練生がヘリコプターの操縦の基礎を習得するには、平均で 10 ~ 15 時間かかります。Flight Simulator では、ロビンソン R22 ベータ II またはベル 206B ジェットレンジャー III で飛行するための基礎を習得するのに、平均で約 6 時間かかります。最初の数時間は挫折の連続でしょう。しかし、くじけずにがんばってください。操縦が難しいからこそ、おもしろいとも言えるのです。いったん回転翼機の微妙な操作をマスターしてしまえば、これほど楽しいものはありません。
まずは離陸する前に、回転翼機の操縦に関する知識を仕入れておきましょう。そうすれば、Flight Simulator によるヘリコプターの操縦がもっと楽しくなります。
ヘリコプターで冒険を開始するには
- ミッションの一覧にある TUTORIAL 9 ~ 12 を飛行します。
- このトピックの最後まで目を通しましょう。
- 「Robinson R22 Beta II 航空機情報」と「Bell 206B JetRanger III 航空機情報」に目を通しましょう。
- ひたすら練習を繰り返してください。
主翼の働きをするローター
ヘリコプターの航空力学を理解するには、ヘリコプターのメイン ローター システムが飛行機の翼の働きをするということを覚えておいてください。ローターは翼断面形状になっているので、飛行機の翼と同様に揚力を発生し、迎え角の変化に反応して翼とまったく同じように失速します。
飛行機の場合は、揚力は翼で、推力はプロペラで生み出されます。ヘリコプターの場合は、揚力と推力の両方が、共通のコンポーネントであるメイン ローター ブレードによって生み出されます。ブレードの回転によってできる円形領域を “ローター ディスク” と呼びます。簡単に言えば、ローター ディスクが空気を押し下げる力によって、ヘリコプターは上昇します。ローター ディスクが傾くと、ヘリコプターはその傾きの方向に移動します。メイン ローターが回転すると、同時にヘリコプターの胴体を反対方向に回転させようとする同じ大きさの力が発生します。このトルクを打ち消すのがテイル ローターです。
ヘリコプター特有の航空力学現象
ヘリコプターの操縦特性から生み出される特有の航空力学現象を、パイロットは理解しておく必要があります。最も重要なものとして、次のような現象があります。
地面効果
地面効果 (Ground Effect) とは、航空機が地表近くを飛行するときに、誘導抗力が減少する現象です。ヘリコプターにおける地面効果とは、機体が地表からローター翼長以下の高度にあるときにパフォーマンスが向上することを指します。この効果が特に顕著に現れるのは、メイン ローター ディスクが地表からローター翼長の 1/2 以下の距離にあるときです。飛行機と同様に、地面効果は翼断面形状の後端が作り出す渦 (ヘリコプターの場合はローター先端渦) が地表面と干渉して生じます。さらに、地表面は吹き降ろす気流 (ローター ディスクを通って押し下げられる空気) を押し留めようとします。吹き降ろす気流の速度が低下することで、揚力発生のためのピッチ角度 (迎え角) の効果がより大きくなります。地面効果が働いている間は、より小さな出力でホバリングすることができます。
横流れ (サイクリック操作)
ヘリコプターが、テイル ローターの推力で横に流れる傾向のことです。たとえば、米国製のヘリコプターはホバリング中に右へ流れる傾向があります。これを補正するため、製造段階でメイン ローター マストは少し左へ傾いた状態、つまりサイクリックが少し左に傾いた状態で調整されています。しかし、ホバリング中や上昇中など特に高出力で飛行しているときは、サイクリック レバーをわずかに左へ倒し、補正する必要があります。
有効前進揚力 (ETL)
ヘリコプターが前進あるいは風を受けてホバリングしているとき、パフォーマンスが大きく向上する現象です。ローター ディスクを水平方向に抜ける空気の流れがあると、ローターは同じ出力でもより大きな揚力を生み出します。通常、この効果は 10 ~ 15 ノットで飛行しているときに現れます。ETL が発生すると、低周波振動が起こります。ヘリコプターの機首が上がり、垂直方向への上昇が始まります。
誘導流効果
ヘリコプターが前進中、あるいは風を受けてホバリングしているとき、ローター ディスク後部の揚力が減少する現象です。低速で飛行しているとき、ローター ディスク後部を抜ける空気は、前部の空気よりも長時間加速され、垂直方向の動きがより大きくなります。こうしてローター ディスク後部を抜ける空気の流れが加速されると、ローター ブレードの迎え角が小さくなり、その結果、ローター ディスク後部で発生する揚力が減少します。
揚力の不均衡
ヘリコプターのメイン ローターが、ローター面全体で不均衡な揚力を発生している状態です。揚力の不均衡が特に顕著に現れるのは、後退側ブレードが失速しているときで、上から見た場合にローター ディスクの左半分が失速している状態です。これは、速すぎる前進速度、重すぎる総重量、高すぎる密度高度、低すぎるローター回転数、乱気流、乱暴な操作、急速旋回などが原因です。この現象は、ヘリコプターが前進しているか、または風を受けてホバリングしている場合にのみ発生します。揚力の不均衡を補正するため、ローター ブレードはフラップ (上下に動く) かフェザリングできるように設計されています。
フライト コントロール
ヘリコプターには 4 つの基本的なフライト コントロールがあります。
- コレクティブ レバー
- スロットル
- サイクリック レバー
- アンチトルク ペダル
ヘリコプターは、他の航空機に比べて操縦装置の操作に対する反応が敏感です。ヘリコプターをスムーズに、そして正確に操縦するには、操縦操作と出力制御をバランスよく行う必要があります。次の基本的な項目に注意してください。
- スムーズに小刻みに操作するようにします。乱雑に大雑把に操作すると、コントロール装置の動きがすぐに増幅されて操縦不能に陥ります。操作に慣れてくれば、こうしたいと考えるだけで、ヘリコプターはそれに従うように思えるでしょう。コントロールに加える物理的な力は、それほど小さくてよいのです。
- 1 つのコントロールの操作が、次に別のコントロールのどのような操作を必要とするかをあらかじめ考えておきます。たとえば、コレクティブを上げて出力を加えるときは、同時に左のアンチトルク ペダルを踏み、機体が右に回転する傾向を抑える必要があります。
- ヘリコプター特有の航空力学現象と、それに対応できる的確な操作方法を理解しておくことが重要です。航空力学現象については、発生した問題に対応するだけでなく、予期できるようにしておかなければなりません。現象が起きてからそれに対応していると操縦が困難になります。
- メイン ローターが回転している間は、絶対にサイクリックから手を離さないでください。
- 着陸後、エンジンを切る際には、ヘリコプターが完全に着地し、コレクティブが完全に下がっていることを確かめてください。メイン ローターが停止するまで、サイクリックは中立にしておいてください。
Flight Simulator をヘリコプター用に調整する
Flight Simulator でヘリコプターを飛ばすときは、シミュレータの動作がスムーズであることが重要です。フレーム レート (1 秒間に画面上の画像が再描画される回数) が高いほど動作は滑らかになり、良好な操作性が得られます。フレーム レートが毎秒 15 フレームより低いと、ヘリコプターの制御は著しく困難になります。フレーム レートが高いほど、リアルなシミュレーションが実現されます。
Shift キーを押しながら Z キーを 2 回押すと、画面左上隅にフレーム レートが表示されます。フレーム レートの単位は FPS (フレーム/秒) です。
フレーム レートと Flight Simulator のパフォーマンスを改善する方法の詳細については、「画質とパフォーマンスの最適化」を参照してください。
目次
フライト コントロール
ヘリコプターには 4 つの基本的なフライト コントロールがあります。
- コレクティブ レバー
- スロットル
- サイクリック レバー
- アンチトルク ペダル
ヘリコプターは、他の航空機に比べて操縦装置の操作に対する反応が敏感です。ヘリコプターをスムーズに、そして正確に操縦するには、操縦操作と出力制御をバランスよく行う必要があります。次の基本的な項目に注意してください。
- スムーズに小刻みに操作するようにします。乱雑に大雑把に操作すると、コントロール装置の動きがすぐに増幅されて操縦不能に陥ります。操作に慣れてくれば、こうしたいと考えるだけで、ヘリコプターはそれに従うように思えるでしょう。コントロールに加える物理的な力は、それほど小さくてよいのです。
- 1 つのコントロールの操作が、次に別のコントロールのどのような操作を必要とするかをあらかじめ考えておきます。たとえば、コレクティブを上げて出力を加えるときは、同時に左のアンチトルク ペダルを踏み、機体が右に回転する傾向を抑える必要があります。
- ヘリコプター特有の航空力学現象と、それに対応できる的確な操作方法を理解しておくことが重要です。航空力学現象については、発生した問題に対応するだけでなく、予期できるようにしておかなければなりません。現象が起きてからそれに対応していると操縦が困難になります。
- メイン ローターが回転している間は、絶対にサイクリックから手を離さないでください。
- 着陸後、エンジンを切る際には、ヘリコプターが完全に着地し、コレクティブが完全に下がっていることを確かめてください。メイン ローターが停止するまで、サイクリックは中立にしておいてください。
コレクティブ
コレクティブ (正確には “コレクティブ ピッチ コントロール”) は、ヘリコプターにとって最も重要な、高度と出力のコントロールです。”コレクティブ (まとめて)” という名称のとおり、メイン ローターのすべてのプロペラ ブレードのピッチの増減をまとめて操作し、メイン ローター システムが生み出す揚力を調整します。推力ベクトルの大きさを決定する装置と考えればよいでしょう。
実際のヘリコプターでは、コックピットの床にある長いレバーを左腕で動かして、コレクティブを上げ下げします。Flight Simulator では、スロットル レバーかジョイスティックを使用するか、F3 キー (コレクティブを上げる) または F2 キー (コレクティブを下げる) を押します。
コレクティブを上げると、すべてのブレードのピッチが大きくなると同時に迎え角も大きくなり、メイン ローター システムが作り出す揚力が増大します。コレクティブを下げると、すべてのブレードのピッチが小さくなると同時に迎え角も小さくなり、メイン ローター システムが作り出す揚力が減少します。
コレクティブを上げると、ローター ブレードの作り出す揚力は増大します。しかし、ブレードの迎え角が大きくなった分だけ抵抗も増えるので、ローターの回転数を維持するには出力を上げる必要があります。出力が上がると、同じ強さの反対方向への力が働き、トルクが大きくなります。したがって、コレクティブを上げるときは、左のアンチトルク ペダルも踏む必要があります。コレクティブを下げると、揚力が減少します。また、抵抗が減って、より小さな出力で回転数を維持できるので、トルクも小さくなります。そのため、調和飛行を維持するには、コレクティブを下げると同時に右のアンチトルク ペダルを踏む必要があります。なお、操作の結果を待って反応していると操縦が困難になるので、早めに対応するようにします。
ヘリコプターのキー操作
コレクティブを上げる | F3 キー |
コレクティブを下げる | F2 キー |
スロットルを開く | Ctrl + F3 キー |
スロットルを絞る | Ctrl + F2 キー |
サイクリック レバーを手前に動かす | 2 キー (テンキー) |
サイクリック レバーを向こうに動かす | 8 キー (テンキー) |
サイクリック レバーを左に動かす | 4 キー (テンキー) |
サイクリック レバーを右に動かす | 6 キー (テンキー) |
左のアンチトルク ペダル | 0 キー (テンキー) |
右のアンチトルク ペダル | Enter キー (テンキー) |
注意 : Flight Simulator でのヘリコプターの操縦は、キー操作やジョイスティックのひねり操作でも可能ですが、ジョイスティックとラダー ペダルがあればずっと簡単になります (ジョイスティックの “スティック” でヘリコプターのサイクリック レバーを操作し、スロットル ハンドルでコレクティブ レバーを操作します)。
スロットル
スロットルは、コレクティブ レバーの先端にあります。Flight Simulator では、ジェットレンジャー III と R22 のどちらの場合も、パイロットがコレクティブを上げ下げすると、ガバナー (調速機) が自動的にローターの回転数を調節します。コレクティブを上げると出力が自動的に上がり、コレクティブを下げると出力が自動的に下がって、ローター ブレードの抑え角が変化してもローターの回転数を一定に保ちます。
サイクリック
飛行中、サイクリック (正確には “サイクリック ピッチ コントロール”) はヘリコプターのピッチとバンク姿勢を制御します。これは、飛行機でいうエレベータとエルロンを制御するヨークや操縦桿に相当します。サイクリックは、対気速度を制御する主要なコントロールです。サイクリックを向こうに動かすと対気速度が上がり、手前に動かすと下がります。
サイクリックを操作すると、一連の機械的連結を通してローター ディスクに動きが伝わり、ローター ディスクが傾いて作り出す力の方向を制御できます。サイクリックはローター ディスクを傾ける働きをし、ホバリングの際には、地上に対するヘリコプターの移動方向や速度を制御します。サイクリックを向こうに動かすとヘリコプターは前方に移動します。サイクリックを左に動かすとヘリコプターは地面に対して左方向に移動します。他の操作も同様です。コレクティブの位置で推力ベクトルの大きさが決まり、サイクリックの位置で推力ベクトルの傾き (方向) が決まります。
Flight Simulator では、サイクリックを制御するにはジョイスティックを使用するか、キーボードの右側にあるテンキーを使います。2 キー (テンキー) を押すとサイクリックは向こうに動き、8 キー (テンキー) を押すと手前に動きます。また、4 キー (テンキー) で左へ、6 キー (テンキー) で右へ動きます。
サイクリックをどれだけ動かしたかによって、ヘリコプターが特定の方向に向かう速度が決まります。サイクリックを動かすと、通常はコレクティブおよびアンチトルク ペダルなどの別のフライト コントロールを調整する必要があります。いくつか例を挙げてみましょう。
- 通常の巡航飛行中にサイクリックを向こうに動かすと、ヘリコプターの機首が下がり、対気速度が上がります。コレクティブを上げてメイン ローターが作り出す揚力を増やし、出力を上げないとヘリコプターは降下してしまいます。
- サイクリックを手前に引くと、ヘリコプターの機首は上がり、対気速度は小さくなります。コレクティブを下げて出力を減らさないとヘリコプターは上昇してしまいます。
- コレクティブを操作するとトルクが変化するので、調和飛行を維持するには左右どちらかのアンチトルク ペダルも操作する必要があります。
ヘリコプターを操縦するときは、ローターの回転数を維持することが特に大切です。
メイン ローターとテイル ローターの回転数が不足すると、十分な揚力が得られず、大惨事を引き起こす可能性があります。メイン ローターの揚力がないと高度を維持できず、テイル ローターの推力がないとヨーの制御が維持できなくなります。さいわい、ジェットレンジャー III と R22 のどちらも回転数を適正な値に維持するガバナー (調速機) を備えています。
アンチトルク ペダル
メイン ローターによって起きるトルクを補正するには、アンチトルク ペダルを使用します。コレクティブを上げるとトルクが増え、コレクティブを下げるとトルクが減ります。アンチトルク ペダルを操作して、スピン状態に陥らないようにする必要があります。
コレクティブを上げて出力を上げたら、ヘリコプターが右に回転しないように左のアンチトルク ペダルを踏む必要があります。同様に、コレクティブを下げて出力を下げたら、トルクの減少を補うために右のアンチトルク ペダルを踏む必要があります。なお、飛行機の場合は反対で、出力を上げると左へ旋回する傾向があります。
前進時には、ヘリコプターは飛行機と同様にバンクによって旋回します。ホバリングでは、ヘリコプターの針路、つまり機首の方向を維持するためにアンチトルク ペダルを使用します。ホバリング状態で静止しているときは、左右どちらかのペダルを使用してヘリコプターを旋回させることもできます。この旋回方法は “ホバリング旋回” と呼ばれます。
巡航飛行中や通常の上昇または降下の際は、アンチトルク ペダルを使用して調和飛行を維持します。つまり、ヘリコプターのトリムを取ります。ホバリング以外では、旋回のためにアンチトルク ペダルを使用しないでください。ヘリコプターのバンクや旋回、および針路の維持にはサイクリックを使用します。ヘリコプターのトリムが取れているかどうかは、旋回計の中のボールまたは指針を確認します。ボールが中心より左にある場合は、左のペダルを踏みます。ボールが中心より右にある場合は、右のペダルを踏みます。
Flight Simulator では、ラダー ペダルまたはアンチトルク ペダルの操作を、ジョイスティックをひねるか、テンキーを使って行うことができます。0 キー (テンキー) が左ペダル、Enter キー (テンキー) が右ペダルに対応します。
操縦方法
ホバリング
ホバリング (地上から 3 ~ 5 フィートの高度で静止状態を保つこと) は初心者にとって特に習得の難しい操縦方法です。しかし、離陸はホバリングで始まり、着陸も必ずホバリングで終わるので、最も重要な飛行でもあります。
風があると操縦はさらに困難になります。対地速度または対気速度の変化が高度を維持するのに必要な出力に影響し、それがトルクを変化させるので、変化を予測してすばやく修正操作を行う必要があります。
自機の動きを感知できるように、地平線か 30 ~ 50 フィート離れた対象物に目を向け、それが静止して見えるようにした後、元の位置に戻るのがコツです。
出力の配分
ヘリコプターのエンジンは、メイン ローターとテイル ローターの両方を駆動します。ホバリングを維持するため、または右からの強い横風を受けながらのホバリングを行うためなど、大きな出力が必要な場合、テイル ローターは、メイン ローターによるトルクや機体が風に流される傾向を打ち消すだけの推力を十分に作り出せないこともあります。
タキシング
ヘリコプターのタキシングは、ホバー タキシングとも呼ばれます。地上から数フィートのところでホバリングしながら前進するためです。一般にこのテクニックは、空港内のあるエリアから別のエリアにヘリコプターを少し移動させるタキシングか、短い距離を移動する必要がある場合に使用します。
降着装置を地上約 3 フィート (1 m) より高く持ち上げる場合は、ヘリコプターが地面効果の範囲外を飛行することになるので、ホバリングを維持するには約 10% の出力が余分に必要になります。
背の高い草の上、険しくごつごつした地形、高高度など、地面効果が働かない場所では、ホバリングできない可能性があることを頭に入れておいてください。
復習:
- ヘリコプターが移動する方向は、サイクリック レバーでコントロールします。
- 正しい高度を維持するためには、コレクティブ レバーを細かくスムーズに調整します。
- 機首をまっすぐに保つには、左右どちらかのアンチトルク ペダルを踏みます。
離陸
障害物をよける場合は別ですが、まっすぐ垂直に離陸したり、低空を高速で発進したりすることはまずありません。ヘリコプターは、地上から数百フィートのところを低速で飛行していたり、地上近くを非常に高速で飛行しているときに、万一エンジンが故障すると回復が困難です。推奨する離陸手順は、地上から数フィートの高さまで上昇してホバリングし、その後 40 ~ 50 KIAS まで加速してから、ゆっくり上昇を開始します。
風向きと風速に注意してください。離陸と上昇の際には、横へ流されるのを最小限に抑え、ヘリコプターの性能を効率よく発揮するために、風向きと平行に離陸するようにします。メイン ローター ディスクを吹き抜ける風には、対気速度と同じ効果があることを覚えておいてください。たとえば、10 ~ 15 ノットの向かい風であれば、ローターには地上でも有効前進揚力が発生します。
離陸の準備ができたら、機外の風景でガイドとなるオブジェクトを探しましょう。建物、タワー、またはガス タンクなどの遠くの目印に注目します。これらの目印や地平線を、浮き上がる際に姿勢や高度を維持するための目標として使用します。
サイクリック レバー (ジョイスティックのスティック) をほぼ中立の状態に設定します。ジョイスティックのスロットルを操作するか、F2 キーを押して、コレクティブ レバーを完全に下げます。
F3 キーを押すか、またはジョイスティックのスロットルを前方に倒して、ゆっくりと、スムーズにコレクティブ レバーを上げていきます。ヘリコプターが浮上し始めます。ヘリコプターの降着装置が地面から離れると、機体は右へドリフトし始めます。その位置でコレクティブ レバーを固定します。ヘリコプターの位置を保持するには、サイクリック レバーをわずかに左へ倒します。左のペダルを踏んで、メイン ローターからのトルクを補正します (または、ジョイスティックを左にひねるか、左のラダー ペダルを押すか、あるいはテンキーの 0 キーを押します)。
ヘリコプターの外に目を向け、焦点を地平線などの目視できる手掛かりに合わせます。上昇を続けるには、コレクティブ レバーをスムーズに上げていきます。上昇時には左のペダルを早めに踏み込む必要があります。また、サイクリック レバーとペダルをスムーズに細かく調節して、針路と姿勢を維持します。
ヘリコプターの降着装置が、地上約 3 フィート (1 m) の位置に来るようにします。これは、エンジンの故障に備えて低空飛行を続け、ヘリコプターを地面効果内にとどまらせておくためです。コレクティブ レバーを上下に動かして高度を維持します。サイクリック レバーを少しずつ動かして正しい姿勢を維持します。また、アンチトルク ペダルを使用して、ヘリコプターの機首が回転しないようにします。風の影響を修正する必要がある場合もあります。向かい風の中で離陸する場合はサイクリック レバーを少し前へ、左からのクロスウィンドにはサイクリック レバーを左へというような操作が必要になります。
離陸の準備ができたら、サイクリックを静かに少し向こうに動かして機首を下げ、離陸経路に沿って前進を開始します。前進を始めても、ヘリコプターが動こうとしない場合があります。その場合は、コレクティブ レバーをわずかに上げて補正します。
対気速度が 10 ~ 15 ノットに達すると、ヘリコプターは有効前進揚力の影響を受け始めます。機首は左へ向き、少し上がります。機首が上がるのを防ぐために、サイクリック レバーを少し前方に倒してください。機体が右に流されそうになったら、サイクリックを左へ動かして防ぎます。また、針路を維持するために右のペダルを踏みます。ヘリコプターは上昇と加速を続けます。この時点で、機体が不安定に感じられたとしても、それはもっともな反応です。ヘリコプターの操縦は簡単ではなく、その操作は、ボールの上に別のボールを載せてバランスを取ろうとするようなものなのです。
ヘリコプター用のトラフィック パターンを飛行し、離陸を続けます。300 フィート (90 m) までは 60 ノットで垂直に上昇します。ヘリコプターの機首は、ほぼ水平の状態で維持します。
左右どちらか (標準のトラフィック パターンでは左) に 90°旋回して、クロスウィンド レグに進入します。60 ノットの指示対気速度を維持し、高度 500 フィート (150 m) まで上昇を続けてください。
加速し、ヘリコプターの上昇率を維持するために、コレクティブ レバーを上げ、サイクリック レバーをほんの少し前方へ動かします。クロスウィンド レグでは、トラフィック パターンから離脱することも、または 90°旋回してもう一度ダウンウィンド レグにアプローチして着陸することもできます。
上昇
ロビンソン R22 ベータ II とベル 206B ジェットレンジャー III はどちらも、標準気象状態の海面高度から毎分 1,300 フィート以上の速さで上昇することができます。どちらのヘリコプターも、通常は 60 KIAS で上昇します。
通常の上昇では、コレクティブ レバーを調節して (ジョイスティックのスロットルを使用するか F3 キーを押します)、吸気圧 (R22) またはトルク (ジェットレンジャー) を、地面効果内でホバリングを維持するときよりも約 10% 大きくします。
サイクリック (ジョイスティックまたは方向キー) を使用して、約 60 ノットの対気速度を維持できるピッチ姿勢を設定します。
上昇するにつれて、エンジン出力が小さくなることに注意してください。高度の上昇に伴い、エンジン計器を監視しながらコレクティブ レバーをスムーズに上げていき、上昇出力を維持します。
上昇の際は、次の点に注意してください。
- 出力および上昇率の制御には、コレクティブ レバーを使用します。
- エンジン計器を綿密にチェックし、運用制限内であることを確認します。
- 機外の地平線を見ながら、姿勢および対気速度を維持します。視線の焦点が機首に近すぎると、正しい姿勢の維持が困難になります。
- 対気速度およびヘリコプターの姿勢の制御にはサイクリック レバーを使用します。針路を維持するための、または地表上の経路を安定して飛行するためのクラブ飛行角度を作るには、アンチトルク ペダルを使用します。
- トリムを取って調和飛行を維持するには、アンチトルク ペダルを使用します。スリップ (内滑り) やスキッド (外滑り) は著しく上昇効果を低減させてしまいます。
上昇から水平飛行に移行する場合は、水平飛行高度より約 50 フィート (15 m) 下の時点でコレクティブ レバーを下げ始めます。出力を巡航状態まで下げながら、右のアンチトルク ペダルを踏みます。サイクリック レバーを使用して巡航対気速度を維持します。速度を上げるにはサイクリック レバーを向こうに倒し、速度を下げるには手前に引きます。
巡航
R22 で通常の条件下を巡航飛行するときは、吸気圧が 21 インチと 22 インチの間になるようにコレクティブを設定します。ジェットレンジャーではトルクを 80% に設定します。
地表経路を維持するには、アンチトルク ペダルを使用してヘリコプターを風上の方に向け、適切なクラブ飛行角度を作ります。旋回する場合は、サイクリック レバーを使用してヘリコプターをバンクさせます。
ヘリコプターのトリムを取って調和飛行を維持するには、アンチトルク ペダルを使用します。旋回計の傾斜計にスリップ (内滑り) またはスキッド (外滑り) が表示されたら、ボールを中央に戻すのに必要なだけ、左右どちらかのペダルを踏みます。
降下
速度を出しすぎずに快適な降下率で降下するには、コレクティブ レバーを下げてメイン ローターのピッチを下げる必要があります。出力が減少してきたら、右のアンチトルク ペダルを踏む必要があります。
コレクティブを下げると機首が下がるので、正しいピッチ姿勢および対気速度を維持するために、サイクリックをわずかに手前に動かす必要があることも忘れないでください。ただし、サイクリックを動かしすぎると機体は上昇してしまいます。
降下するにつれて、エンジン出力が大きくなることに注意してください。エンジン計器をチェックし、コレクティブ レバーをスムーズに下げて降下を続けます。
降下状態から水平飛行に移行する場合は、水平飛行高度より約 50 フィート (15 m) 上でコレクティブ レバーを上げ始めます。出力を上げるときは左のアンチトルク ペダルを踏み、サイクリック レバーを使用して巡航対気速度を維持します。速度を上げるにはサイクリック レバーを向こうに倒し、速度を下げるには手前に動かします。
アプローチ
ヘリコプターのアプローチでは、ローカル トラフィックおよび地形の確認作業の方が、目標速度および飛行姿勢の制御より重要です。障害物を避けて安全に空港の交通領域に進入し、次に示す着陸手順に従ってください。
着陸
着陸は、通常の離陸と逆の手順で行います。つまり、高度 500 フィート (150 m) のトラフィック パターンからアプローチし、地上約 3 フィート (1 m) でホバリングを開始して、ゆっくりとスムーズに機体を降下させます。
次の手順は、良い着陸習慣を身に付け、スムーズで安定した着陸を実現するのに役立ちます。
ヘリコプターの着陸手順
- ニーボードの着陸チェックリストを再度確認します。
- 固定翼機の往来を避けたヘリコプター用のトラフィック パターンを飛行します。
- アプローチの前半では、コレクティブを下げて出力を小さくします。アプローチの後半では、ちょうどホバリング時の出力になるようにスムーズに出力を上げて、地上 3 フィート (1 m) でホバリング状態にする必要があります。
- ダウンウィンド レグは、高度 500 フィート (150 m)、速度 100 ノットで飛行します。
- 次にベース レグに旋回し、70 ノットに減速して 300 フィート (90 m) まで降下します。
- さらに、高度 300 フィート (90 m) でファイナル レグへ旋回し、52 ~ 60 ノットに減速します。
- 降下角を 10 ~ 12°にすると、障害物との間隔が十分に取れるので着陸エリアを視認しやすくなります。
- コレクティブ レバーを調節して、ヘリコプターの降下率をコントロールします。降下率を小さくするにはコレクティブを上げます。降下率を大きくするにはコレクティブを少しだけ下げます。
- 着陸地点への接近率は、サイクリック レバーで調節します。サイクリック レバーをわずかに手前に引くと接近速度は減少し、向こうに倒すと接近速度は増加します。理想的な接近速度は、普通に歩くぐらいの速さです。
- 着陸地点への接近率が増加するまでアプローチを続けます。着陸地点に近づいたら、サイクリックを少しずつ手前に引いてスムーズに前進速度を減少させます。減速する際には、高度維持のためにコレクティブ レバーを下げる必要があります。
- 対気速度が 10 ~ 15 ノットに減少すると、機体は有効前進揚力を受けなくなります。この失った揚力を補正するために、コレクティブを上げる必要があります。コレクティブ ピッチを加えているので、左のアンチトルク ペダルも踏む必要があります。
- 着陸地点の真上でホバリングに移行します。着陸したい地点の真上で高度 3 フィート (1 m) のホバリングに入ってください。ゆっくりとコレクティブ レバーを下げて、ヘリコプターが着陸地点の真上で安定するようにします。着地したら、コレクティブを完全に下げます。
オートローテーション
ヘリコプターのオートローテーションは、飛行機のパワーオフ グライド (エンジン出力なしの状態での滑空) に相当するもので、エンジンが故障した場合はこの方法で着陸します。
オートローテーションで重要なのは、着陸の衝撃を緩和させてくれる揚力が得られるよう、ローターの回転数を維持することです。また、適切な着陸エリアに到達し、着地前のフレアで降下率を下げられるように、正しい前進速度を維持する必要もあります。オートローテーションの詳細については、ロビンソン R22 ベータ II とベル 206B ジェットレンジャー III のフライト ノートを参照してください。
技術情報
ヘリコプターとその操縦の詳細については、「推薦図書」を参照してください。学習すべき他の項目のいくつかを次に示します。
危険な状況
ヘリコプターのパイロットは、遭遇する可能性のある危険な状況について知っておく必要があります。次のような状況では、操縦不能に陥らないために迅速かつ適切な対応が求められます。なお、エンジンの停止、テイル ローターの停止、あるいはローターの回転数低下によるブレードの失速が生じたときも、緊急の対応が必要です。
後退側ブレードの失速
ヘリコプターを上から見た場合のローター ディスクの左半分のローター ブレードが臨界迎え角を超え、失速する状態を “後退側ブレードの失速” と呼びます。この状態は、ヘリコプターが高速で前進する際に、機体後方へ移動するローター ブレードの迎え角が大きくなることにより生じます。この現象は、ヘリコプターの最大速度を制限する第一の要因です。乱気流、低すぎるローター回転数、急旋回、重すぎる総重量、高すぎる密度高度といった条件も、後退側ブレードの失速の原因となります。
低周波振動が発生する、ヘリコプターの機首が上を向こうとする、左側へロールしようとするといった状況は、後退側ブレードの失速の兆候です。後退側ブレードの失速から回復するには、コレクティブ レバーを下げてローター ブレードの抑え角を小さくすると共に、速度を下げます。
セットリング ウィズ パワー
ヘリコプターは自身のローターが起こす下方気流へ急降下する傾向があり、これを “セットリング ウィズ パワー” と呼びます。セットリング ウィズ パワーによる降下率の増加は、多くのヘリコプター事故の原因となっています。セットリング ウィズ パワーが発生するのは、ヘリコプターの対気速度が 10 ノット以下、降下率が毎分 300 フィート以上で、かつ出力が 20% を超えている状態です。
ホバリング中に地面効果が働く高度を維持しなかったり、地面効果を失うホバリング限界を超えてしまったり、追い風での着陸時にヘリコプターからの下方気流が吹き流されてしまったりしたときに、この現象が起こりがちです。
この現象は、ローター ブレードの付け根で生じた渦が外側へ移動することで生じます。飛行機の翼が失速するときと同じように、ローターは水平飛行や安定降下を維持するために必要な揚力を生み出せなくなります。低周波振動が生じる、サイクリックの制御が効きにくくなる、急速に降下するといった状況が生じたときは、セットリング ウィズ パワーの兆候です。
この状況から回復するには、10 ノット以上の対気速度で前進、後退、または横移動して、下方気流の外へ移動する必要があります。
Low-G コンディション (低荷重状態)
ローター ディスクにかかる荷重が 1G (ヘリコプターの自重) 以下になる状況を Low-G コンディション (低荷重状態) と呼びます。サイクリックを急激に操作したり、乱気流の中を飛行したり、急上昇姿勢から急激に機首を下げたりすると Low-G コンディションに陥ります。この状態になると、機首が下がり、テイル ローターがメイン ローター ディスクより高い位置になって右方向への推力が生じるため、機体が右へ急速にロールする場合があります。メイン ローターが機体後部に当たることがあり、また半関節型ローター システムではマスト振動が起こることがあります。どちらの場合も、メイン ローターやテイル ローターの破損原因になります。
Low-G コンディションから回復して制御不能な状況を回避するには、サイクリックを少し手前に動かして機首を上げ、ローター ディスクにかかる G を大きくします。また、右へロールする傾向を打ち消すために、サイクリックを左に動かします。
ローター システム
現在のヘリコプターの大半は、3 種類のメイン ローター システムのいずれかを装備しています。
- 半関節型
- 全関節型
- 固定型
半関節型
半関節型ローター システムには、2 つのメイン ローター ブレードがあります。これらのブレードは、揚力の不均衡を補正するために、シーソーのように一体となってフラップ (上下に移動) します。また、回転時の迎え角を調整するために、一体となってローター ハブの位置で回転してフェザリングします。また、このローター システムは、コリオリの力を打ち消すために重心が低くなっています。その重心とローター回転軸の間の距離の変化に応じて、メイン ローター ブレードを進めたり遅らせたりします。
半関節型ローター システムは、整備コストが比較的低く抑えられる反面、フラッピング特性からマスト振動が起こる (メイン ローター ハブがメイン ローター マストに接触する) ことがあります。また、Low-G コンディションの影響も受けやすくなっています。
Flight Simulator のロビンソン R22 ベータ II とベル 206B ジェットレンジャー III は、どちらも半関節型ローター システムを装備しています。ロビンソン R22 ベータ II のローター システムは比較的慣性力が小さいので、ローターの回転数低下という状況からの回復が容易です。一方、ジェットレンジャーのローターは慣性力が比較的大きいため、R22 のような軽量のローター システムを備えたヘリコプターと違い、ローターの回転数を速やかに上下させることができません。高慣性型ローターは、オートローテーションなどの一部の操作では有利に働きますが、すばやく力を加えることは不得意です。
全関節型
全関節型ローター システムは、メイン ローター ブレードが 3 つ以上ある方式です。これらのブレードは、揚力の不均衡を補正するために別々にフラップ (上下に移動) します。また、回転時に迎え角を調整するためにローター ハブの位置で別々にフェザリングし、コリオリの力を打ち消すために別々に進めたり遅らせたりすることもできます。
全関節型ローター システムは、半関節型ローター システムよりも製造や整備にコストがかかりますが、Low-G コンディションやマスト振動の影響を受けにくくなっています。ただし、地表共振の影響は大きくなります。
固定型
固定型ローター システムも、3 つ以上のメイン ローター ブレードがあります。これらのブレードは、揚力の不均衡を補正するために別々にフラップ (上下に移動) します。また、回転時に迎え角を調整するために、ローター ハブの位置で別々にフェザリングします。全関節型システムとは異なり、固定型ローター システムにはヒンジ (蝶番 : ちょうつがい) がありませんが、各ローターは別々に進めたり遅らせたりが可能です。
固定型ローター システムは、3 種類のローター システムの中で製造に最もコストがかかります。固定型ローター システムは複合材料とチタンで作られることが多く、また、比較的乗り心地が良くない傾向があります。しかし、Low-G コンディションや地表共振の影響を受けにくく、他のローター システムほど整備に手間がかかりません。
北米製以外のヘリコプターの操縦について
ここでの説明は、すべて回転方向が機体を上から見て左に、つまり反時計回りのメイン ローターを使用していることを前提としています。米国製のヘリコプターはこの種のメイン ローターを使用しています。しかし、米国以外で製造されたヘリコプターの中には、メイン ローターが機体を上から見て右に、つまり時計回りに回転するものも少なくありません。このため、米国以外で製造されたヘリコプターを現実の世界で操縦する場合は、ペダルやサイクリックの操作をここでの説明とは左右逆に行わなければならないことがあります。
推薦図書 (英語)
ヘリコプターの操縦についてもっと詳しく学びたい方は、次の書籍を参照してください。
Padfield, R. Randall. 『Learning to Fly Helicopters』Tab Books (1992)
Coyle, Shawn. 『The Art and Science of Flying Helicopters』Iowa State University Press (1997)
次の Web サイト (英語) もご覧ください。
www.bellhelicopter.textron.com
www.robinsonheli.com