Bombardier CRJ700 フライト ノート
フライト プランの作成および航空機の操縦は、航空機の重量、天候、滑走路の状態などのさまざまな要因によって影響を受けます。次の推奨飛行パラメータの一覧は、国際標準大気 (ISA) 状態の日に最大離着陸重量で飛行を行うための概算値です。
重要 : 以下の内容は Flight Simulator でのみ使用することを前提としています。実世界で飛行するために、実際の航空機マニュアルの代わりに使用することはできません。
注意 : Flight Simulator の他のすべての航空機と同様、V 速度とチェックリストはニーボードに表示されます。飛行中にニーボードを表示するには、Shift + F10 キーを押すか、または [航空機] メニューの [ニーボード] をクリックします。
注意 : フライト ノートの速度は、すべて指示対気速度で表されています。これらの速度を基準として使用する場合は、[リアリティの設定] ダイアログ ボックスの [指示対気速度で表示] がオンになっていることを確認してください。諸元表に記載されている速度は、真対気速度で表されています。
注意 : Flight Simulatorでのジェット機操縦全般については、「ジェット機の操縦法」を参照してください。
標準設定では、この航空機は燃料とペイロードが最大の状態になっています。大気条件や高度などの要因にもよりますが、総重量が軽い場合はパフォーマンスが変化します。
所要滑走路長
離陸 : 5,500 フィート (1,676 m)、フラップ 5°
着陸 : 4,850 フィート (1,478 m)、フラップ 30°
離着陸に必要な滑走路の長さは、航空機の重量、標高、向かい風、フラップの使用、周辺の気温などのさまざまな要因で決まります。ここでは以下のような条件で一般的な所要長を示します。
重量 : 72,750 ポンド (33,000 kg)
高度 : 海面高度
風 : 向かい風なし
気温 : 摂氏 15°
滑走路 : 舗装滑走路
重量が軽い場合、気温が低い場合、また向かい風がある場合は滑走路の所要長はより短くなります。 標高や気温が高い場合は、滑走路の所要長はより長くなります。
エンジン始動
標準の設定でフライトを開始すると、エンジンはすでに始動しています。エンジンを停止した場合は、Ctrl + E キーを押すと自動始動の手順を開始できます。エンジンの始動操作を手動で行う場合は、ニーボードのチェックリストの手順に従ってください。
タキシング
CRJ700 でタキシングを行うには、まず十分なパワーを加え、機体が動き出したらスラスト レバーをアイドルに戻します。 アイドル推力でも十分に地上滑走できます。
通常の直進でのタキシングは、20 ノット以下で行う必要があります。 方向転換する場合は、路面が乾いている状態なら、8 ~ 12 ノットが適切な速度です。
Flight Simulator では、タキシング中の方向制御は、ラダー ペダルで行います (ジョイスティックの場合は、スティックをひねります。ラダー ペダルの場合は、ラダー ペダルを操作します。キーボードの場合は、テンキーの 0 キー (左) または Enter キー (右) を押します)。
フラップ
下記の表は、フラップの各設定における推奨操作速度です。フラップを完全に上げた場合の最低高度は 400 フィートですが、ほとんどの騒音軽減運航方式では 1,000 フィートで行います。フラップを上下させるときには、減速または加速のどちらを行っているときも、速度に合わせて段階的に適切なフラップ設定を使用します。
フラップ位置 (角度) フラップ 1 200 フラップ 8 200 フラップ 20 185 フラップ 30 165 フラップ 45 140
離陸
次のことがきわめて短時間のうちに起こります。次に起こることを前もって把握できるように、手順を繰り返し読んでから操作を始めてください。
離陸前チェックリストの項目をすべて実行し、フラップを 20°に設定します (F7 キーを押すか、またはフラップ レバーをドラッグします)。機体を滑走路のセンターラインに揃えたら、スラストを N1 の約 40% まで開きます (F3 キーを押すか、スラスト レバーをドラッグします)。こうすると両方のエンジンの出力を離陸推力まで均等に上げていくことができます。ここでは正確な数値よりも、両方のエンジンの推力が等しくなることが重要です。
エンジン出力が安定したら、離陸推力までスロットルを開きます。離陸推力は、通常は N1 の 91.5% です。ただし、外気温度が高い場合はそれより少なくなります。
方向制御はラダー ペダルを使用します (ジョイスティックの場合はスティックをひねります。ラダー ペダルの場合はラダー ペダルを操作します。キーボードの場合はテンキーの 0 キー (左) または Enter キー (右) を押します)。
V1 (離陸決定速度) は、約 134 KIAS です。この速度を超えると、離陸中断 (RTO) の際に滑走路内で停止できない場合があります。
約 134 KIAS で、操縦桿をスムーズに手前へ引き (ジョイスティックまたはヨークを使用するか、↓キーを押します)、機首を水平線から 10°上げます。この機首上げ姿勢を維持し、機首を上げすぎないようにします。
約 146 KIAS の V2 で、航空機は安全に離陸できます。V2 は片方のエンジンが停止しても安全に飛行できる最低速度です。上昇率がプラスになるまでこの速度を維持します。
上昇率がプラスになったら (昇降計と高度計の値の両方が増加している状態)、すぐに G キーを押すか、または着陸装置レバーをドラッグして、着陸装置を上げます。航空機はフラップを上げる速度まで急速に加速します。
上昇
フラップを上げたら、上昇出力を N1 の約 90% に設定します (F2 キーを押すか、ジョイスティックのスロットル コントロールを操作するか、またはスラスト レバーをドラッグします)。10,000 フィート (3,048 m) に達するまでは、6°または 7°の機首上げ姿勢で 250 ノットでの上昇を維持し、その後の巡航高度では 290 KIAS (マッハ 0.74) を維持します。
巡航
巡航高度は通常、風や天候などの要因によって決定されます。飛行経路に沿って気象を作成した場合、これらの要素を考慮してフライト プランを作成してもよいでしょう。最適な高度は、そのときの機体装備および総重量で燃費が最も良くなる高度です。ここでは、高度の選定について詳しくは触れません。
CRJ700 は FL 450 で飛行することができます。同機では 51,000 フィート (15,545 m) が保証されています。ただし、その高度に到達するために燃焼させる燃料を節約するには、天候の良くない所より上に出るか、または都合のよい風向きを利用するしかありません。
ここでは、FL 300 でフライト プランを提出していると仮定します。巡航高度に近づいたら、目標高度の 50 フィート (15 m) 下のあたりで、機体を水平飛行に移行し始めます。
巡航中に自動操縦を使用すると、CRJ700 の操縦がより簡単になります。自動操縦により、指定した高度、速度、針路、航法援助施設を利用したコースを維持できます。自動操縦装置の使い方の詳細については、「自動操縦の使用法」を参照してください。
通常の巡航速度はマッハ 0.77 です。出力を N1 の約 90% に設定します。
ただし実際には、薄く冷たい空気の中では、真対気速度は、これよりずっと速くなっていることを忘れないでください。
降下
適切な降下計画には、巡航高度から降下を開始する時機や、その後のアプローチの計画も含まれます。通常降下は、アイドル推力およびクリーン コンフィグレーション (スピード ブレーキなし) で行います。降下を開始する地点は、3 対 1 ルール (高度 1,000 フィートごとに 3 マイル) を使って決めます。現在の高度のフィート数から末尾のゼロを 3 つ省いた値に 3 を掛けます。
たとえば、35,000 フィート (10,668 m) の巡航高度から海面高度まで降下する場合は次のようになります。
35,000 から末尾のゼロを 3 つ省くと 35 となり、 35 x 3 = 105 となります。
つまり、目的地の 105 海里手前で降下を開始し、速度 250 KIAS で降下率毎分 1,500 ~ 2,000 フィートを維持しながら、推力をアイドルから N1 の 53% の間に設定して降下することになります。追い風がある場合は、10 ノットごとに 2 海里ずつ増やして計算します。
自動操縦で巡航している場合は、降下前に自動操縦を解除します。また、そのまま自動操縦機能を使って降下することもできます。アイドルまで出力を下げ、機首もわずかに下げます。10,000 フィート (3,048 m) 以下では最高制限速度の 250 KIAS を超えないように注意してください。速度および降下率を維持するために出力を調整しなければならない場合もあります。アプローチ段階に入るまでこの状態で降下を続けます。
アプローチ
航空機の着陸飛行体勢 (フラップおよび着陸装置を下げた状態) にして、かなり前から目標速度に入っておきます。 速度が速すぎる場合には減速のための水平飛行が必要になります。
計器進入では、グライド スロープをインターセプトするファイナル アプローチ フィックスまでに、着陸飛行体勢を整え、十分に減速しておく必要があります。ファイナル アプローチ フィックスは通常、着地地点から約 5 マイル (8,000 m) 手前です。
対気速度がフラップなしの場合の最低飛行速度より下がったら、フラップを 1°に設定します (F7 キーを押すか、フラップ指示器またはフラップ レバーをドラッグします)。通常、この操作はダウンウィンド レグへ進入したとき、またはイニシャル アプローチ フィックスで行うので、それまでにこの対気速度まで減速しておく必要があります。 各フラップ設定の最低速度に達するたびに、段階的にフラップを下げていきます。
通常の着陸のフラップ設定は 45 度です。
グライド スロープの指針が 1 目盛り上かそれ以下を指したら、グライド スロープを下からインターセプトして、着陸装置を下げます (G キーを押すか、または着陸装置レバーをドラッグします)。
適切なファイナル アプローチ速度は重量によって異なりますが、通常の運用重量における適切な目標は 135 ~ 140 KIAS です。
着陸装置を出し、フラップを 45°に設定し、出力は N1 の 55 ~ 60%になるようにします。このまま進めば、滑走路に向けて適切な対気速度と降下角度を維持できるはずです。 出力とピッチを細かく調整して、グライド パスから外れないようにします。
着陸
有視界アプローチで標準降下地点に近づいたとき、または ILS アプローチでファイナル アプローチ フィックスに接近中グライド スロープの指針が 1 目盛り下を指したときに、着陸装置を下げます。
ファイナル アプローチ速度は、140 ノットです。グライド スロープをインターセプトしたら、フラップを 45°に設定します。この体勢であれば、滑走路に向かう適切な降下角度で、対気速度 140 ノットを維持できます。
ファイナル アプローチの降下中は常に 140 ノットを維持します。 出力の微調整を行い、グライド パスから外れないようにします。 降下率は毎分約 700 フィート (fpm) を維持するようにします。
滑走路の上空、約 50 フィート (15 m) のところで滑走路の進入端を通過したら、スラスト レバーをアイドルにします。ファイナル アプローチで取っていたピッチ姿勢を維持します。 この段階では、機首の上げ下げは行わないでください。 すべての車輪が接地したら、/ (スラッシュ) キーを押してフライト スポイラー レバーを MAX の位置にして、F2 キーを押すか、またはスラスト レバーを逆噴射位置までドラッグして逆噴射を加え、ブレーキをかけます。
対気速度が 60 ノットを下回ったら、F1 キーを押すか、またはスラスト レバーをドラッグして必ず逆噴射を解除し、スポイラーを下げます。滑走路を離れて、駐機場までタキシングします。
滑走路から離れてターミナルへタキシングする間に、フラップを上げ (F6 キーを押すか、またはフラップ操作レバーをドラッグします)、スポイラーを下げます (/ (スラッシュ) キーを押すか、またはブレーキ レバーをクリックします)。