Bombardier Learjet 45


フライト ノート― Lear 45 の操縦方法

モデル 45 は、ウィリアム リアの最初のモデルであるリアジェット 23 が登場して以来、初めてすべてを一新したモデルです。一見リアジェット 23 に似ていますが、パーツの数がモデル 35 の半分になっており、大幅な設計上の進歩を示しています。45 の設計目標とされたのは、リアジェット 35 の性能と、リアジェット 31A の操作性、そして競合他社製の航空機よりも広いキャビン空間でした。

この機体は、リアジェット社で初めてコンピュータ画面上で設計されたもので、ペーパーレス航空機とも言えるでしょう。ときにはコンピュータで設計されたデータが、直接フライス盤に転送されるなどの方法も用いられ、製造工程においてほかに例のない精度が達成されました。この精度は、ぴったり合わなければならない主要パーツを異なる大陸で製造する場合に特に重要なことでした。これにより、製造時間が短縮されただけでなく、あらゆる製造工程にとっての課題であるパーツの歩留まりも上がりました。

現在の多くのベンチャー事業と同じように、リアジェットの製造は、さまざまな事業体が共同して行っています。リアジェット社がシステムと米国での最終組み立て作業に責任を負い、機体はアイルランドのショーツ社が製造し、翼の設計と製造はカナダのデ ハビランド社が担当しています。これら 3 社はすべてボンバルディア社の子会社です。

取り扱いの容易さは、この新しいリアジェットの重要な設計目標でした。パーツの少なさに加え、このモデルには整備追跡システムが組み込まれています。整備士は、ラップトップ コンピュータを操作パネルにつなぎ、すべてのアビオニクス、エンジン、その他のシステムから故障機器のリストをダウンロードできます。

リアジェット 45 のグラス コックピットによって、機内のシステム管理が単純化されています。Primus 1000 統合アビオニクス システムと EICAS (アイキャス : Engine Indication and Crew Alerting System) には、主要な飛行計器を表示するだけでなく、すべての主要システムを監視するページがあります。

通常、ジェット機を飛ばすときには、出力の管理が大きな作業となり、重量と周囲の条件に応じて出力設定を更新する必要があります。リアジェット 45 では、それをコンピュータに行わせることによって、パイロットを出力管理の大部分から解放しました。たとえば離陸の場合、パイロットはスロットル レバーを前に 3 ノッチ前方に押して離陸位置にセットし、両足をブレーキから離せば飛び立つことができます。上昇中は、スロットル レバーを最大連続推力 (MCT) の位置まで戻せば、あとはデジタル電子エンジン コンピュータ (DEEC) が制御してくれます。

高度 45,000 フィート (13,716 m) で重量が 17,000 ポンド (7,701 kg) の場合、高速巡航の数値は 445 KIAS で、燃料流量は 1 時間当たり約 1,062 ポンド (481 kg) です。出力を長距離巡航設定まで下げ、速度を 408 ノットに減速した場合、燃料消費は 1 時間あたり 987 ポンド (447 kg) に減ります。45 の最大 IFR 航続距離は、約 1,800 海里です。最大運用限界高度が 51,000 フィート (15,545 m) のリアジェット 45 は、45,000 フィート (13,716 m) を認可されながらその高度ではほとんど使用されない一部の軽ジェット機と異なり、たやすく 45,000 フィートに到達して巡航することができます。

リアジェット社は、市場の動向を見て顧客の求めるものを生産する能力を再び示しました。同社は、顧客を時間どおり目的地に送り届ける一方、パイロットと企業の社用機管理部門も喜ばせる機体をモデル 45 で作り上げたのです。

諸元表

ヤード ポンド法メートル法
巡航速度0.81 M、464 kt859 km/h
エンジンAllied Signal TFE731-20 (推力 3,500 lb)
航続距離2,200 nm、2,532 miles4,074 km
実用上昇限度51,000 ft15,545 m
燃料積載量6,062 lb (904.8 U.S. gal)2,722 kg (3,341 ℓ)
総重量20,450 lb9,276 kg
最大離陸重量 – HGW20,200 lb9,163 kg
全長58.4 ft17.7 m
全幅47.8 ft14.6 m
全高14.3 ft4.3 m
座席数最大 9 席
有効搭載量8,750 lb3,969 kg