Beech King Air 350 フライト ノート
フライト プランの作成および航空機の操縦は、航空機の重量、天候、滑走路の状態などのさまざまな要因によって影響を受けます。次の推奨飛行パラメータの一覧は、ISA 状態の日における最大離着陸重量で飛行を行うための概算値です。ただし、ここに記載されたものは、実際の航空機マニュアルの代用として使用することはできません。
重要 : 以下の内容は Flight Simulator でのみ使用することを前提としています。実世界で飛行するために、実際の航空機マニュアルの代わりに使用することはできません。
注意 : Flight Simulator の他のすべての航空機と同様、V 速度とチェックリストはニーボードに表示されます。飛行中にニーボードを表示するには、Shift + F10 キーを押すか、または [航空機] メニューの [ニーボード] をクリックします。
注意 : フライト ノートの速度は、すべて指示対気速度で表されています。これらの速度を基準として使用する場合は、[リアリティの設定] ダイアログ ボックスの [指示対気速度で表示] がオンになっていることを確認してください。諸元表に記載されている速度は、真対気速度で表されています。
標準設定では、この航空機は燃料とペイロードが最大の状態になっています。大気条件や高度などの要因にもよりますが、総重量が軽い場合はパフォーマンスが変化します。
所要滑走路長
離陸 : 4,193フィート、フラップ位置 上げ
着陸 : 3,300 フィート、フラップはアプローチ位置まで下げ
離着陸に必要な滑走路の長さは、航空機の重量、標高、向かい風、フラップの使用、周辺の気温などのさまざまな要因で決まります。ここでは、以下のような条件で一般的な所要長を示します。
重量 : 15,000 ポンド (6,804 kg)
高度 : 海面高度
風 : 向かい風なし
気温 : 摂氏 15°
滑走路 : 舗装滑走路
重量が軽い場合、気温が低い場合、また向かい風がある場合は滑走路の所要長はより短くなります。 標高や気温が高い場合は、滑走路の所要長はより長くなります。
エンジン始動
標準の設定でフライトを開始すると、エンジンはすでに始動しています。エンジンを停止した場合は、Ctrl + E キーを押すと自動始動の手順を開始できます。エンジンの始動操作を手動で行う場合は、ニーボードのチェックリストの手順に従ってください。
キング エア 350 のプロペラは、エンジンを停止すると自動的にフェザリングされ、エンジンを始動すると自動的にフェザリングが解除されます。
キング エアの出力レバーでは、N1 を制御して、エンジン出力をアイドルから離陸出力まで制御します。 N1 を増加させると、エンジン出力も増加します。出力レバーには、3 つの範囲があります。REVERSE (逆推力)、GROUND FINE (低出力)、そして、それ以外の範囲 (前進推力) です。レバーを REVERSE に動かすと、エンジン出力とプロペラ ブレードの角度の両方がコントロールされます。
プロペラ レバーは前後に操作します。このレバーでは、フライト中のさまざまな状況により、そのつど必要なプロペラ回転数を設定します。標準範囲は 1,450 ~ 1,700 RPM です。プロペラを手動でフェザリングするには、プロペラ レバーを操作して (Ctrl + F2 キーを押すか、プロペラ レバーをドラッグ) ユニットの赤白のストライプが入った位置に戻します (標準ではオートフェザーが有効になっているので、エンジン故障の際のフェザリング操作は自動的に行われます)。
コンディション レバー (CONDITION と書かれています) は 3 段階になっています。FUEL CUTOFF (燃料カット オフ)、LOW IDLE (低アイドル)、および HI IDLE (高アイドル) の 3 段階です。LOW IDLE では、N1 の範囲は 62 ~ 104% となります。HI IDLE では、N1 の範囲は 70 ~ 104% となります。キング エアの運用におけるコンディション設定の 99% は LOW IDLE です。
タキシング
タキシング時の標準出力設定は、GROUND FINE です (F2 キーを押すか、出力レバーをドラッグして設定します)。地上でプロペラがフェザーになっていない標準の運用では、プロペラ回転数を 1,050 RPM より高く保つようにします。地上にいる間は、プロペラの共振を防ぐため、プロペラ レバーを 1,050 RPM より上かまたは 400 RPM 未満に設定してください。フェザーのまま連続してエンジンをアイドリングさせるのは避けてください。 吸気タービン温度 (ITT) をチェックして、地上運用温度制限の摂氏 750°を超えないようにします。
フラップ
キング エアの離陸は、滑走路が短い場合を除いてフラップなしが標準です。キング エア 350 では、フラップは UP (アップ)、APPR (アプローチ)、または DN (ダウン) に設定できます。フラップをこれら 3 つの位置の中間で止めることはできません。フラップの使用速度については、ニーボードを参照してください。
離陸
離陸前チェックリストの項目をすべて実行します。機体を滑走路のセンターラインに揃えたら、プロペラ レバーがいっぱいに押し込まれていることと、コンディション レバーが LOW IDLE に入っていることを確認します (Ctrl + Shift + F2 キーを押すか、またはレバーをドラッグします)。
出力レバーを N1 の 100% に設定し、離陸滑走中は ITT 計に注意します。ITT 計は摂氏 750°以下である必要があります。
方向制御はラダー ペダルを使用します (ジョイスティックの場合はスティックをひねります。ラダー ペダルの場合はラダー ペダルを操作します。キーボードの場合はテンキーの 0 キー (左) または Enter キー (右) を押します)。
V1 (離陸決定速度) は、指示対気速度 (KIAS) 約 105 ノットです。この速度を超えると、離陸中断 (RTO) の際に滑走路内で停止できない場合があります。
約 110 KIAS の VR で、操縦桿をスムーズに手前に引き (ジョイスティックまたはヨークを操作する、または↓キーを押す)、機首を水平線から 10°上げます。
約 117 KIAS の V2 で、航空機は安全に離陸できる速度に達します。V2 は片方のエンジンが停止しても安全に飛行できる最低速度です。上昇率がプラスになるまでこの速度を維持します。
車輪が滑走路を離れて、上昇率がプラスになったら (昇降計と高度計の値の両方が増加している状態)、すぐに着陸装置を上げます (G キーを押すか、または着陸装置レバーをドラッグします)。
上昇
N1 の約 90% の上昇出力に設定します。出力を調整するには、F2 キーを押すか、ジョイスティックのスロットル コントロールを操作するか、またはスロットル レバーをドラッグします。プロペラ回転数を 1,600 RPM に設定します。プロペラ同調スイッチ (PROP SYNC と書かれているスイッチ) をクリックして、プロペラ同調機能をオンにします。6°または 7°の機首上げ姿勢を保って、巡航高度まで上昇します。上昇時の指示対気速度は、出力とピッチ姿勢が一定でも変化します。だいたい次のような数値を示します。
高度 | 対気速度 |
海面高度~ 10,000 フィート | 170 KIAS |
10,000 ~ 15,000 フィート | 160 KIAS |
15,000 ~ 20,000 フィート | 150 KIAS |
20,000 ~ 25,000 フィート | 140 KIAS |
25,000 ~ 30,000 フィート | 130 KIAS |
35,000 ~ 40,000 フィート | 120 KIAS |
巡航
巡航高度は通常、風や天候などの要因によって決定されます。飛行経路に沿って気象を作成した場合、これらの要素を考慮してフライト プランを作成してもよいでしょう。最適な高度は、そのときの機体装備および総重量で燃費が最も良くなる高度です。ここでは、高度の選定について詳しくは触れません。
ここでは、FL 300 でフライト プランを提出していると仮定します。 巡航高度に近づいたら、少し手前から機体を水平飛行に移し始めるようにします。
巡航中は、自動操縦を使用すると、キング エアの操縦がより簡単になります。自動操縦により、指定した高度、速度、針路、および VOR コースなどを維持できます。自動操縦の使い方の詳細については、「自動操縦の使用法」を参照してください。
ここで選択したパラメータでのキング エアの代表的な出力設定は、トルク メータの値で 66% です。このとき、燃料流量は毎時およそ 575 ポンド (PPH) となり、指示対気速度は 185 ノットになります。プロペラ レバーを操作して、1,500 RPM を維持するようにします。
ただし実際には、薄く冷たい空気の中では、真対気速度は、これよりずっと速くなっていることを忘れないでください。選択した高度で目的の巡航速度と燃料消費量が得られる出力設定を、いろいろ試して見つけておくとよいでしょう。
降下
適切な降下計画には、巡航高度から降下を開始する時期や、その後のアプローチの計画も含まれます。通常降下は、アイドル推力およびクリーン コンフィグレーション (スピード ブレーキなし) で行います。降下を開始する地点は、3 対 1 ルール (高度 1,000 フィートごとに 3 マイル) を使って決定します。現在の高度のフィート数から末尾のゼロを 3 つ省いた値に 3 を掛けます。
たとえば、30,000 フィート (9,144 m) の巡航高度から海面高度まで降下する場合は次のようになります。
30,000 から末尾のゼロを 3 つ省くと 30 となり、 30 x 3=90 となります。
つまり、目的地から 90 海里の地点で降下を開始し、速度 250 KIAS (より密度の高い高度に降下するまでこの速度は表示されません)、降下率毎分 1,500 フィートを維持しながら降下することになります。追い風がある場合は、10 ノットごとに 2 海里ずつ増やして計算します。
キング エアでは、250 KIAS または VMO のいずれか小さい値を保つように推力を調整しながら降下します (ジョイスティックのスロットルを操作するか、F2 キー (絞る) または F3 キー (開く) を押します)。プロペラ レバーは、1,500 RPM の設定のままにします。
キング エアの性能マニュアルには、この降下計画に 20 分、103 マイル、燃料 245 ポンドが必要であると書かれています。
アプローチ
フライトがアプローチ段階にさしかかったら、出力を約 55% トルク以下に下げ始めて、イニシャル アプローチ フィックスまでに 180 KIAS 以下に減速します (ジョイスティックのスロットルを操作するか、または F2 キーを押します)。
ファイナル アプローチ フィックスまで来たら、出力を 30% トルクまで下げます。これにより速度は、140 KIAS 程度まで減速し始めます。オート フェザーが起動していることを確認します (AUTOFEATHER と書かれているスイッチをクリックして ARM 位置に設定します)。
グライド スロープをインターセプトするか、ダウンウィンドに進入したら、F6 キーを押すか、またはフラップ レバー (FLAP と書かれたレバー) をクリックして、フラップを APPR の位置に設定します。そして (G キーを押すか、または着陸装置レバー (LND GEAR と書かれたレバー) をクリック) して、着陸装置を下げます。
出力を 25% トルクまで下げます。進入端に近づいたら出力を調整して、目標とする着陸速度 109 KIAS まで減速します。
地表高度 300 フィート (91 m) 前後で、出力をさらに下げます。計器着陸装置 (ILS) が作動していない場合、または視認進入による着陸が確実に実行できる場合は、フラップを完全に下げます。
着陸
進入端を地表高度 50 フィート (15 m) で通過するときに、出力を 10% トルクにします。 ここでアイドル出力まで下げてもかまいませんが、キング エアの場合、やや急激に接地する傾向があります。そのため、主輪が滑走路面に触れるまでは、10% トルクを保持する方が望ましいでしょう。
機首をわずかに上げてフレアをかけ、降下率を減らします。主輪が接地したら、出力をアイドルに下げて、操縦輪を軽く手前に引いたままにします (ジョイスティックを手前に引くか、または↓キーを押します)。キング エアの機首は最初の接地と同時に下がる傾向があるので、ゆっくり下がるように少し手前に引く必要があります。
キング エアは、着陸すると急激に減速します。前輪が滑走路に接地したら、プロペラ レバーを GROUND FINE の範囲の一番下に移動します (Ctrl + F2 キーを押すか、またはプロペラ レバーをドラッグします)。
滑走路が短い場合を除いて、着陸時に逆推力をかける必要はありません。短距離着陸を行う場合は、前輪が接地した段階でプロペラ レバーを REVERSE に移動します。
ブレーキをかけます (. (ピリオド) キーを押します)。プロペラ レバーを GROUND FINE に移動し、滑走路を離れて駐機位置までタキシングします。