Cessna Grand Caravan


フライト ノート― 208B Caravan の操縦方法

セスナ キャラバンなら、行きたいところにどこへでも行けます。1985 年にセスナ社が初めて市場に投入したキャラバンは、陸上または水上で、ほとんどどこにでも降りられるように設計されました。そしてキャラバンは、確実に製作者の意図に応えてきました。ペルーの山岳地帯の洪水に見舞われた村に物資を届けなくてはならない場合、アラスカの人里離れた湖から負傷者を救助しなければならない場合、または考古学者がアフリカの砂漠の只中の発掘現場に行きたいと思っている場合など、どのような場合でも、キャラバンにはそれらの任務をこなすために必要な性能が備わっています。

キャラバンの当初の設計では、モデル 207 ステーショネアの胴体を流用し、それを拡張する計画でした。 しかし、セスナ社は、十分な貨物容量と燃料積載量を持った航空機を作成するためには、ほとんどゼロから設計し直す必要があることにすぐに気が付きました。最初のプロトタイプにはモデル 207 の一部が使用されましたが、結局キャラバンの最終的な設計には、前のモデルから取り入れたものは何一つありませんでした。

キャラバンには、大きな燃料タンクと、頑丈な着陸装置が装備されています。この着陸装置によって、この航空機は、平滑でない未舗装の滑走路でも確実に着陸できます。この着陸装置は、着水用のフロートに簡単に交換できます。また、キャラバンは、短い滑走路でもすばやく浮揚できるように、大きな翼を持っています。翼面積 174 平方フィート (16.2 平方メートル) の翼には、335 ガロンの燃料を積載できます。また、前脚に装備されたオイル ストラットはショックアブソーバーの役割を果たし、岩やくぼみの上を通過する際にエンジン マウントにかかるエンジンの荷重を和らげます。

最初の水陸両用機のキャラバンは、1986 年 3 月に認可され、その 2 か月後に正式に生産ラインに乗りました。水陸両用機では、車輪の代わりに 2 つの大きなフロートが装備されています。ただし、それぞれのフロートには格納式の車輪が付いており、これによって、この航空機はまさに水陸両用となっています。それぞれのフロートには、防水壁の水密区画室内に、200 ポンド (90.6 kg) の車輪を格納できます。また、水陸両用機には、水上で操縦するための格納式の舵と、大きなフロート面のバランスを取り操作性を向上させるための、水平尾翼に垂直フィンが装備されています。

最初のキャラバンはフェデラル エクスプレス社向けに受注生産されました。世界中に何百とある小さな町にまで翌日配達サービスを提供するフェデラル エクスプレス社にとって、信頼性と柔軟性があり出力の高いキャラバンは今も欠くことのできない存在です。

2005 年時点で、世界中を 1,500 機を超えるキャラバンが 1 か月あたり 71,000 時間飛行しています。これを距離に換算すれば、キャラバンは初飛行以来、50億マイル以上飛んだことになります。水陸両用機の場合は、初期の顧客の中にカナダ騎馬警察隊がありました。この水陸両用機によって、カナダ騎馬警察隊は、法の執行と救助の両方の任務を目的として、数マイルも離れたさまざまな州の川や湖へ行くことができます。

208B Caravan 諸元表

ヤード ポンド法メートル法
最大速度175 kt324 km/h
巡航速度175 kt、324 km/h (高度 10,000 ft)
164 kt、305 km/h (高度 20,000 ft)
エンジンPratt & Whitney Canada, Inc PT6A-114A フリータービン (675 shp)
プロペラMcCauley 3 翅定速固定ピッチ (直径 106 in) フル フェザー、逆ピッチ機構付き
最大航続時間高度 10,000 ft (3,048 m)、最大巡航速度で 5.1 時間
高度 18,000 ft (5,486 m)、最大巡航速度で 6.6 時間
高度 10,000 ft (3,048 m)、最大航続距離で 6.4 時間
高度 18,000 ft (5,486 m)、最大航続距離で 7.2 時間
実用上昇限度22,800 ft6,950 m
燃料積載量335 U.S. gal1,268 ℓ
自重4,575 lb2,075 kg
総重量8,785 lb3,980 kg
全長41 ft 7 in12.8 m
全幅52 ft 1 in15.85 m
全高15 ft 5.5 in4.7 m
座席数最大 14 席
有効搭載量4,000 lb1,814 kg